地域の話題

乗鞍の春山バス 27日から運行スタート

県道乗鞍岳線を走る大型バス。位ケ原山荘周辺では雪の壁がバスの高さを超えた

 松本市安曇の県道乗鞍岳線(愛称・乗鞍エコーライン)で24日、「春山バス」の試運転が行われた。今季は積雪が多く、標高2350メートルの位ケ原山荘近くでは、最も高い所で6メートルの雪の壁が現れる。市やアルピコ交通、のりくら観光協会などの25人が大型バスで安全に通行できるかを確認し、27日に今季の運行を開始すると決めた。

 バスは乗鞍観光センター(標高1500メートル)を出発し、15キロ先の位ケ原山荘を目指した。マイカーの乗り入れが規制される三本滝前を過ぎると、少しずつ道路両脇の雪の壁が高くなり、大型バスの高さを超える場所もあった。
 昨季は1日5往復だったが、今季はバスの運転手不足などで3往復とする。期間は6月30日までで、当面は乗鞍観光センター~位ケ原山荘を走る。山荘から上部の除雪作業が始まっており、6月1日には3.5キロ先の大雪渓・肩の小屋口(標高2620メートル)まで延伸させる予定だ。
 昨季は延べ6594人が利用し、新型コロナウイルス禍前の水準に戻りつつある。のりくら観光協会の奥灘充会長(55)は「高原は緑一色になり、上部では迫力の雪景色が楽しめる。観光の魅力としてPRしていきたい」と話していた。
 運賃は往復4600円(1歳未満は無料、小学生以下は2300円)。今季は完全予約制で、事前予約が必須となる。