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松本・大北地域の妊娠生活をゲームで体験 信大の三代澤医師ら配信

シリアスゲーム「はじめての妊娠」の最初の場面を示す三代澤医師

 松本市旭3の信州大学医学部小児医学教室助教の三代澤幸秀医師(49)らが、松本・大北地域での妊娠生活を疑似体験できるシリアスゲーム(社会問題の解決を目的としたゲーム)「はじめての妊娠 松本・大北地域編」を今月リリースした。医学の知識に加え、妊娠中の手続きやパートナーのサポートのあり方、出産・子育てに関する体制など、楽しみながら学ぶことができる。

 主人公の高校教師が自身の妊娠に気付いてから陣痛が始まるまでを1時間のストーリーにまとめた。各ポイントで「医療系Vチューバー・梓えむ」が登場し「検査薬はいつから使えるか」など、妊娠に関する知識をクイズ形式で説明。市町村と医療機関、団体でつくる「松本大北地域出産・子育て安心ネットワーク協議会」の監修で、健診と分べんを別の医療機関が担う地域の医療体制も解説した。
 出産、子育てへの男性の参加を促すため「パパ目線」のシーンをふんだんに盛り込んだ。「つわりがつらい時期だから早く帰ってあげなさい」などと声がけする上司も登場し、理解のある職場のモデルが示されている。
 三代澤医師を代表に医学部生ら7人が参加する一般社団法人M―terrace(エムテラス)が制作し、昨年7月から9カ月かけて完成させた。医療、行政機関や妊婦とそのサポート団体などさまざまな人たちに取材を重ね、リアリティーを追求した。三代澤医師は「インターネットを見れば膨大な情報がある中、信頼できる専門家の情報を発信したい」と話している。今後「出産編」「育児編」を制作する計画で、今回が3部作第1弾となる。
 ブラウザ版とアプリ版で無料配信されており、QRコードからアクセスできる。