駐車場ゆっくりと慎重に まつもと道路交通考・第4部⑤ 買い物先での事故に注意
松本地域では多くの人がスーパーや複合商業施設、郊外の大型店などに車で行き、買い物をしている。広い駐車場にびっしりと車が並び、見通しが悪い中、店舗と車の間を買い物客が行き来する。駐車場への出入りに細心の注意を払い、駐車場内ではゆっくりと慎重に運転することが大切だ。
松本市渚1の複合商業施設・なぎさライフサイトは、曜日を問わず昼ごろには600台以上収容できる駐車場が満車に近い状態になる。車が通る「車路」には店舗部分などに横断歩道マークも描かれているが、一時停止や減速を怠る車も少なくない。横断歩道を渡ろうとした高齢者が車に接触する寸前で立ち止まるような場面が、日常的に起きている。
駐車場内は徐行(時速10キロ以下ですぐに止まれる速度)が求められるが、中には時速20~30キロ以上で走る車も見られる。ライフサイトの管理事務所によると、多い月には2、3回警察が事故処理に来るという。木口裕介所長は「とにかくゆっくり走ってほしい」と訴えている。
商業施設の駐車場の出入り口でも、ドライバーのマナーが問われる運転が散見される。
松本地域のドライバーは信号待ちの渋滞時に、左側の店舗駐車場前にスペースを空けておく習慣がある。これは駐車場から出る車や、反対車線から右折して店舗に入る車への配慮だが、それを見越して渋滞の後方から反対車線に出て何台も追い越し、スペース部分で強引に左折して駐車場に入っていく車がある。
渋滞中に待ちきれず、空いている反対車線に出て逆走し、右側の店舗駐車場に右折する車もある。いずれも常識を無視した危険な「ワープ」だ。
交通量が多い国道19号沿いの店舗では、右折での駐車場への出入りを禁止しているケースもあるが、ルールを守らない車がしばしば見られる。
県警は、店舗の駐車場は不特定多数の歩行者や車両が複雑に通る場所で、事故発生の危険性が高いと分析している。大型店の駐車場出入り口は歩道と交差する場合が多く、渡澤竜一・交通安全対策室長は「歩道の前で確実に一時停止し、左右の安全を確認する運転を」と呼び掛けている。
(第4部終わり)