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阿寺の清流 工芸で発信 ろくろ細工の器 開発 ガラス材組み合わせ

阿寺渓谷をイメージしたガラス材と南木曽ろくろ細工のコラボ商品

 大桑村の景勝地・阿寺渓谷の清流をイメージして電子部品製造の木曽駒ミクロ(木曽町新開)が手掛けるガラス材と、南木曽町に伝わる国指定伝統的工芸品・南木曽ろくろ細工のコラボレーション商品「ろミクろ」が開発された。地域や分野を越えて連携し、木曽の魅力を発信していく。

 商品はトレーやタンブラーとスタンド、アクセサリーケースなど6種類。専門家のデザインを基に、ヤマイチ小椋ロクロ工芸所(南木曽町吾妻、小椋一男社長)の職人が制作した器とガラス材を組み合わせる。
 ガラス材は、自動車部品などを手掛ける木曽駒ミクロが、製造工程で出る端材を活用して生産する。南木曽ろくろ細工はろくろに固定した木材を回し、削り出す。伝統と現代の技術の共演に、小椋社長は「新しい挑戦ができた。斬新で日ごろと違う魅力の製品になったと思う」とうなずく。
 阿寺渓谷の観光事業などを手掛ける阿寺ブルー(大桑村長野)が企画販売する。昨秋から準備を始め、試作してきた。同社の河合毅代表は「阿寺や木曽の魅力を『持ち帰れる』品としたい。連携して地域振興を図れれば」と話し、さらなる展開にも意欲を見せた。
 商品は現在、阿寺渓谷や周辺の環境保全・振興を目指す5月末までのクラウドファンディング(CF)の返礼品として設定している。5000円~5万円。今後は夏ころを目安に、大桑村内に販売拠点を設けるなどして取り扱っていく予定だ。
 取り組みは、伝統的工芸品の活用・魅力発信などを支援する県伝統的工芸品産業地域内循環支援事業補助金を活用した。