塩尻の自動運転バス実証実験 試乗した8割が利用前向き

塩尻市と市振興公社が1月中旬の5日間、大門と広丘高出の両地区にまたがるルートを設定して行った自動運転バスの実証実験で、試乗した一般の105人に対して行ったアンケートの結果がまとまった。同じルートで将来、自動運転バスが使えるようになった場合、回答者の84%が利用に前向きな回答をした。
大門一番町のコア塩尻を発着点に、乗務員が運転席で必要に応じて手動に切り替える「レベル2」で行った。JR塩尻駅や広丘高出のホームセンター・カインズ塩尻店、スーパーマーケット・デリシア塩尻東店を経由する5.5キロを走った。
アンケートでは同ルートで将来、自動運転バスが使えるようになった場合、利用を「希望する」人が40%、「どちらかというと希望する」人が44%だった。「どちらかというと希望しない」「希望しない」人は計16%だった。
一方、試乗していない地域住民に同じ質問をすると、「希望する」人が11%、「どちらかというと希望する」人が29%にとどまった。「どちらかというと希望しない」「希望しない」は計60%だった。
試乗した人が普段、どんな場合にバスを使うかという質問に対して49%が「使うことはない」と答えた。以下「日常的な買い物」「趣味・娯楽・レジャー」「通勤・通学」の順に多かった。
実証実験の期間中は、自動運転バスに乗って両店を訪れると、1日1回で1店舗200ポイントがもらえるようにした。大門七番町のパン店・ブーランジェリーナカムラでは限定風味の牛乳パンを販売した。
市などは、バスになじみがない人たちが、継続的に乗車する手だてを考えている。今回の実証実験中の店舗との連携もその一環で、目的地にしてもらえる地点を含むルート設定を検討している。市先端産業振興室の担当者は「実際に乗れば"これは使える"と思ってもらえる」とみている。