政治・経済

安曇野市 長峰山の林道に待避所新設へ 本年度から41カ所 すれ違い円滑に

拡幅して待避所を設置する林道長峰線

 安曇野市は本年度から5年間かけて、明科地域の長峰山(933メートル)にアクセスする林道長峰線に、部分拡幅による「待避所」を41カ所新設する。東山のにぎわい創出に向けた環境整備の一環で、車同士のすれ違いを円滑にする。本年度は、11月末~3月末の冬季閉鎖期間中に11カ所の整備を予定している。

  林道長峰線は明科中川手の県道矢室明科線を起点とする全長6678メートルで、基本的に幅が約4メートルと狭い。大型車と普通車のすれ違いが難しく、どちらかが後退して道を譲る必要があるという。待避所は1カ所当たりの長さを約20メートルとし、谷側か山側に道を広げて幅6メートルにする考えだ。
 市は待避所の新設に当たり、令和5年度に林道の全面拡幅も検討したが、費用が約9億円と試算された。耕地林務課は「費用と効果を検証した結果、部分拡幅でいくことになった」とする。待避所の総事業費は約3億円が見込まれている。
 長峰山は、眼下の田園風景と北アルプスの壮大な景色が楽しめる絶景スポットで、観光客やトレッキングを楽しむ人、ハンググライダーやパラグライダーの愛好者らに人気がある。市は、明科地域のにぎわい創出を目的とした市東部アウトドア拠点整備基本構想を令和5年度に策定し、長峰山を「自然満喫ゾーン」に位置付けて環境整備に取り組む。
 食堂や入浴施設、キャンプ場などを運営している長峰山森林体験交流センター・天平の森によると、利用者が増えている。昨年度と比べて本年度の出足は好調で、今月末に始まる大型連休中は6棟あるコテージが予約でほぼ埋まっている。天平の森は「山道の運転に慣れていない年配者の中には道が狭くて怖いという人もいる。道を広げてほしいと思っていた」と待避所の設置を歓迎している。
 耕地林務課は「幅が狭い不便な状況が少しでも解消されて利便性が向上し、明科地域を盛り上げる一助になれば」としている。