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大人向けの魅力 発信へ 木曽おもちゃ美術館 畑英利新館長に聞く

 木曽町新開の「ふるさと体験木曽おもちゃ美術館」の2代目館長に、地元・黒川地区出身で開田小学校校長などを歴任し、現在は天体写真家として活動する畑英利氏(69)が1日付で就任した。同館の建物となっている旧黒川小学校の卒業生でもある。開館3年目に入った同館の運営を通じて木曽の地域づくりに貢献していく思いを聞いた。

 ―木曽おもちゃ美術館の運営現場に入って2週間余りが過ぎた。感想は。
 多くの人が関わって作り上げている施設だと、率直に感じた。さまざまな能力、個性を持つおもちゃ学芸員(ボランティアスタッフ)らが協力し、「おもちゃのやかた」「たいけんのやかた」といった各エリアを心地よい空間にしている。館長就任後、欧米からの観光客が箸作り体験にのめり込んでいる様子を見た。現場の担当者が、おもちゃや郷土文化の魅力を余すことなく伝えていることに感銘を受けた。
 ―運営の現状は。
 平日の来館者の少なさが課題となっている。土日祝日には1日300人前後が訪れるのに対し、通常期の平日は20~30人しかいない。子育て世代だけでなく、高齢者や、親子連れ以外の働く世代を取り込んでいく必要がある。
 ―そのために必要な取り組みは。
 「おもちゃ=子供」というイメージを打破する必要がある。▽懐かしさや心地よさが感じられる館内でゆったりと過ごす▽おもちゃと向き合うことで疲れている心が癒やされる―といった大人向けの魅力を、発信していきたい。

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 畑 英利氏(はた・ひでとし) 木曽西高、山梨大教育学部卒。県内中学校を中心に教壇に立ち、木曽町開田小校長を最後に定年退職。元木曽教育会長、木曽星の会初代会長。木曽町新開。