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豊科郷土博物館が企画展 一般家庭の食事の変遷たどる 聞き取り調査を基に再現

食品サンプルで再現した「家族の食卓」が並ぶ展示

  安曇野市豊科の市豊科郷土博物館で5月18日まで、およそ戦後80年間の一般家庭の食事の変遷をたどる春季企画展「食卓の風景 食と家族の80年」が開かれている。時代とともに変化してきた「家族の食卓」を食品サンプルと調度品で再現しており、自家との比較や共感が楽しめる。

 普段の食事に焦点を当て、安曇野市民への聞き取り調査に基づいて再現した。2年間かけて食品サンプルを作ってきたという。
 いろりを囲んだ箱膳での食事、家父長制の影響を色濃く残していた昭和30年代から40年代にかけての飯台での食事、個食化が進んでいる現代の朝食や単身者の食卓などを時系列で紹介している。
 昭和40年代後半にはダイニングテーブルが登場し、洋食が食卓に上るようになった。展示では具材にちくわを使ったカレーを再現している。同館は「見よう見まねの洋食化だった。学校給食で子供たちが食べ、母親たちのネットワークで洋食が取り入れられるようになった」とする。
 家族構成や着座位置の変化なども見てとれる。同館は「見て楽しんでほしい。自分の食卓と比べながら、自分や家族がこの先にどうなっていくのかを考えるきっかけにしてほしい」としている。
 午前9時から午後5時(入館受け付けは4時半)まで。入館料は高校生以上100円で中学生以下無料。