五穀豊穣を願い鳥居火 松本市島内・春の伝統行事

本格的な春の訪れを告げる松本市島内の伝統行事「鳥居火」(市重要無形民俗文化財)が14日に行われた。島内の大宮神社と武宮神社の氏子約70人が、鳥居山の西側斜面に立ってたいまつで鳥居を描き、五穀豊穣を願った。
東方、町、北方の3町会の住民が19日と20日に営まれる例大祭を前に、火の鳥居を奉納した。午後8時に鳥居の下部から点火された。上部まで火がともされると、ホラ貝を吹く音を合図にたいまつが振り回され、斜面にひときわくっきりと鳥居の形が浮かび上がった。
新型コロナウイルス禍前は3日間連続で行っていたが、中止を経て近年は1日限りで実施している。来年以降に向けては、島内鳥居火会が3町会の住民に日程や内容などのアンケートを採っている。同会の宇留賀則昭会長(71)は「重要無形民俗文化財にも指定されており、どのような形になるにせよ継続したい」としている。