地域の話題

「ブロッコリーようかん」のレシピ探究 松本県ケ丘高3年生・真野結奈さん

業務用の糖度計を借り、本田社長(左)のアドバイスを受ける真野さん

 松本県ケ丘高校(松本市)の探究科3年生・真野結奈さん(17)=安曇野市豊科=が、食品ロスの削減につながる非常食として、廃棄されることが多いブロッコリーの茎を活用したようかんを発想し、試作を重ねている。練りようかんの製造を手掛ける老舗専門店・本丸池田屋(安曇野市三郷温)の協力で、1年程度の保存性や携行しやすい固さ、食べやすい食味を備えたようかんの完成を目指している。

 本田啓邦社長(43)から、真野さんが狙う保存性を保つためには糖度60度以上が必要なことを教わり、糖度を高めるポイントとなる煮詰め方を自宅の調理器で試している。3日、同店に5回目の訪問をし、糖度計を使って仕上がり具合を確かめた。
 ようかん製造に用いられる砂糖の中でも、てん菜糖がブロッコリーに合うことや、ブロッコリーをふかしペースト状にしてから使うことなどを学び、野菜ゆえの青臭さや繊維質が混ざることでの食味、食感の悪さを克服した。内側がアルミ製の包装資材に流し込んで固めることで密閉性も持たせた。真野さんは「一人では実現できなかったことばかり」と感謝しながら「家庭で誰もが応用できるレシピを発信できたら」と話す。
 池田屋によると、江戸時代には製法が発展していた練りようかんは、栄養価も高く非常食として最適で、価値が見直されている。本田社長は「若い発想にようかんの可能性も広がる」と真野さんの学びを歓迎している。