来年の「松本あめ市・塩取り合戦」 手作り甲冑"初陣"へ

手作り甲冑で塩取り合戦に出陣―。松本市中心街の本町商店街振興組合の理事・山田善敬さん(74)と組合員の山本隆一さん(78)が、商都松本の新春を彩る伝統行事「松本あめ市」(実行委員会主催)の綱引き合戦・塩取り合戦で、大将の上杉謙信役と武田信玄役が着る甲冑を手作りした。合戦を主催する組合として、よりリアリティーを追求し盛り上げたいと約半年間かけて奮闘。来年1月が"初陣"となる。
趣味で等身大の甲冑作りをする赤廣三郎さん(72)=松本市島内=を講師に、市立博物館(大手3)が主催した「手作り甲冑講座」で作り、昨年10月に始まった講座の最終回の9日夜、他の受講生とともに完成品を披露した。
山田さんは、さまざまな資料を調べかぶとの前面につける「前立」に、上杉謙信が信仰していたという「飯綱権現」を再現。紙粘土を用いて細かい部分まで表現し、メタル感を追求して塗料の種類や塗り方を試行錯誤した。「16回の講座では足りず、家で"自習"もした。ほぼイメージ通り」と笑顔を見せた。
山本さんは甲冑の前立に、武田家の家紋の「武田菱」をあしらい、かぶとや胴部分など甲冑全体を茶色でまとめて統一感を出した。山本さんは「来年のあめ市で披露するのが楽しみ」と話した。
2領の甲冑は18日まで、他の受講生の作品とともに市立博物館のウインドーギャラリーに展示される。19日には受講生全員で甲冑を着て松本城に行き、写真撮影をする予定だ。
2人は「地元の中心市街地を盛り上げたいと取り組んだ。合戦が盛り上がって壊れたら修理して活用していきたい」と話している。