新規事業創出へ起業支援 松本市が初の育成プログラム

松本市は本年度、新たに市内から起業家やスタートアップ企業(新しいビジネスモデルや市場を開拓する会社)を生み出すための育成プログラムを始める。起業に関心のある人が集うICT拠点・サザンガク(大手3)を拠点に、社会的、経済的にインパクトのある新規事業の創出を目指す。
プロポーザルによりプログラムを構築するコンサルタント会社が決定次第、盆前にも、関心のある人が気軽に集える月1回のイベントの初回を開いて母集団を形成する。その後、さらに踏み込みたい人向けに、企業や先輩起業家に話を聞いたり起業家の卵のコミュニティーを形成したりする場となるイベントを開く。こちらも月1回で、二つのイベントを繰り返しアイデアをブラッシュアップしていく。
だんだん固まってきたら隔月で開く提案プレゼンテーションでさらにアイデアを磨き、来年3月には最大のハードルとなる資金調達に向け、ベンチャーキャピタル(スタートアップに出資する投資会社)や投資家を招いてビジネスコンペを開く計画だ。
市はこれまで、企業に実証フィールドを提供する松本ヘルス・ラボモニタリング事業やサザンガクでのサテライトオフィス機能、テレワークオフィス設置支援事業などに力を入れてきた。一方、起業に向けた機運醸成は手薄で、サザンガクのコワーキングスペースで行われる交流イベントやセミナーの参加者からは、連続性のあるプログラムを望む声が上がっていた。今回の事業とともに情報発信と学生へのアプローチも強化する。
市はコンサルタント会社への委託料として本年度当初予算に810万円を盛った。担当する市商工課は「市内には大学があり起業に向けた資源がある。ゼロからの創出につなげたい」と意気込んでいる。