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キノコ菌の「ほだ木」販売 筑北・山福農林舎利用者の就業機会増へ

山福農林舎が初めて出荷したキノコの「ほだ木」(筑北やさいBOX)

 障害者の就労支援や農福連携を進める筑北村のNPO法人・わっこ谷の山福農林舎(和栗剛代表)が今春、キノコの菌の種駒を打ち込んだ原木「ほだ木」の販売を始めた。山林資源に付加価値を付け、冬場から春先にかけて利用者の就業機会を増やしたい考えで、今後も出荷本数を増やす方針だ。

 長さ約1メートルのナラやケヤキの原木にシイタケやヒラタケ、クリタケなどの菌の種駒40~60個を植え付け、村内2カ所と安曇野市明科の直売所で販売している。価格も1000円台前半とお手頃で、初回は今春に駒打ちした計約80本を出荷した。来年秋にはキノコが収穫できる見通しだ。
 山福農林舎は山の手入れに取り組む村民ら(登録会員)が切り出した木材を買い取り、建築用の材木やまきボイラーの燃料、精油などに加工して販売している。中にはほだ木に適したサイズの木材の持ち込みもあるため、商品開発を進めていた。
 今夏には、昨春に駒打ちして1年間育成したほだ木をより付加価値の高い商品として試験販売する考えだ。山福農林舎の現場管理者・井上洋輔さん(34)は「キノコのほだ木作りは体力的な負担も軽く利用者の就業機会の幅も広がる」とし「中山間地域ならではの特産品として増産していければ」と期待する。 問い合わせは山福農林舎(電話0263・66・3035)へ。