2025.4.11 みすず野
ウグイスの鳴き声を表現するのに「ホーホケキョー」が用いられるようになったのは江戸時代からと知って驚く。平安時代には「ヒトク」と聞いていた。江戸時代になるまで用いられ続けたと『擬音語・擬態語辞典』(山口仲美編、講談社学術文庫)にある◆「ホーホケキョー」は「法華経」の意味を掛けて聞いた。仏教の隆盛もあり、狂歌で慈悲心鳥(ジュウイチ)も仏法僧(コノハズク)もウグイスの声にはかなわないと言われるほど尊ばれた。ウグイスという名前は、鳴き声を「ウーグヒ」と聞いたところからきているとも◆一昨日の朝、しきりに鳴く鳥の声に気づいた。1時間余りだろうか。「ホーホケキョー」とは鳴いていないが、なんとなくそれに近いように聞こえた◆昨日の朝も鳴き続けた。庭の木を見るが、姿は見当たらない。前日よりほんの少し「ホーホケキョー」らしくなったように聞こえる。ウグイスに違いない。ごみを出しに外に出ると、近所のお年寄りも足をとめていた。「どこにいるのかしら」と言われ、隣家の木々も探したが見当たらない。しばらく一緒に鳴き声を聞いた。ウグイスの声を聞くと人は笑顔になる。