教育・子育て

鉢盛中の学区に「そば部」 部活動地域移行で有志が新設へ

体験会でそば打ちを楽しむ子供と指導する大瀬庵のメンバー

 公立中学校の部活動指導を地域に委ねる「地域移行」に合わせ、組合立鉢盛中学校の学区(松本市今井、山形村、朝日村)でそば打ちを趣味にする有志が新年度に「そば部」を立ち上げる。生徒が地域で活動する受け皿となる地域クラブの一つとして設け、そば打ちやそば文化に親しむ活動を展開する。そばを通じて生徒の人生が豊かになることを願って同校卒業生の保護者が中心になって提案し、そば文化継承とそば打ちの担い手育成にもつなげたい考えだ。

 今井の蕎麦道場大瀬庵のメンバーを中心に立ち上げ、賛同するそば店3店も協力する。大瀬庵や公民館を会場に初年度は週に1回程度の活動を予定。幅広くそば文化に触れ、そば店の協力でソバ粉や製粉、料理などを学ぶ特別企画も構想する。
 25日には朝日村中央公民館で児童生徒を対象にしたそば打ち体験会を開き、4人が初めての体験を楽しんだ。4月から鉢盛中に通う上條操君(12)は「そばが大好きで参加した。香りとか感触とか打ってみて分かったことがあって良かった」と喜んだ。
 大瀬庵でそば打ちを学び、部の創設を提案した櫻井くみ子さん=今井=(48)は、手打ちそばを食べた時の感動や魅力を伝えながら指導し「そばは人や地域とのつながりを豊かにする。部で培ったそば打ち技術を地域に還元する活動にもつながれば」と願う。
 提案のきっかけは、鉢盛中在学中にそば打ちを始めた長男・煌大さん(20)の成長ぶりにある。長野工業高等専門学校で学び今春就職する煌大さんは、そば打ちを通じて同級生や留学生らとコミュニケーションを広げ「そばをやってきてよかった」と自信を深めたという。
 鉢盛中では松本市の推進計画に準じ、令和7年度末までに休日部活動を、8年度には平日部活動も地域移行を進める。