ジビエ肉の処理施設模索 筑北・住民ら有志が研究会

筑北村の住民ら有志が25日、シカやイノシシなどの「ジビエ肉」を筑北地域で解体処理できる施設の設置を目的とした研究会「ちくほく森のめぐみの会」を立ち上げた。ジビエ肉を新鮮なうちにも解体利用できる体制を整え、地域住民への普及啓発や子供たちの食育活動に取り組む。時に「有害鳥獣」とされる野生動物のジビエ肉を特産品へ押し上げる環境づくりを目指す。
大沢新田で薫製食品加工場を運営する砂子慎哉さん(49)=安曇野市=と東条岩戸で古民家カフェ「シルク&ソイ」を営む有美・コイトさん(59)が呼び掛け、狩猟や林業、飲食業などに携わる10人が集まり結成した。
砂子さんによると、ジビエ肉は一般的に鮮度の面で、仕留めてから1時間以内に解体処理する必要がある。近隣に条件を満たす解体施設はなく、ジビエ肉の利活用にとって課題だ。一方、長野市や大町市には一定のルールで野生動物を持ち込んで解体できる施設・仕組みがある。
広く会員を募り、今春にも県内の先進地視察を計画している。会が主体となって、行政とも連携できる筑北地域ならではの活用の道筋を探っていく。
筑北村坂井で「そば処さかい」を運営する関森康男さん(41)=坂井=は、村地域おこし協力隊時代の令和4年3月に処理施設の設置を村へ提言したことがあり「行政も必要性は認識していると思う。筑北地域に合う持続可能な施設・仕組みができれば」と期待する。砂子さんは「ジビエ肉の活用が地域の活性や一体感を生むきっかけとなれば」と願う。
問い合わせは有美・コイトさん(電話080・9373・1428)へ。