政治・経済

松本駅前の再整備早急に 再設計検討会議が市に提言

臥雲市長に提言内容を説明する赤羽座長(左から2人目)と山本座長代理(同3人目)

 松本駅周辺から松本城周辺までの「中核エリア」の将来像を検討する松本市の諮問機関・中心市街地再設計検討会議は24日、臥雲義尚市長に、再設計の指針となる「見取り図」を提言した。城下町の歴史や自然を生かした、人が歩きたくなる「ウオーカブル」なまちづくりを目指し、車の流入を抑制する方向性を柱とした。松本駅や駅前広場、松本バスターミナルを含む駅周辺の再整備も盛り込んだ。市は新年度、駅周辺の再整備に向けて民間の開発計画と連動するプロジェクトを始める。

 検討会議座長の赤羽眞太郎・松本商工会議所会頭と、座長代理の山本達也・清泉女子大教授(公共政策論)が市役所を訪れ、提言書を手渡した。昭和の区画整理事業から50年以上が経過して多くの建物が更新時期を迎えている松本駅東地区に、市民益につながる民間投資の誘導を提案した。
 指針実現の段階的なスケジュールも示した。駅周辺の再整備について、山本座長代理は「民間の投資判断のスピードに対応できないとタイミングを逃すことになる」と述べ、1年以内に検討に着手すべきと強調した。
 検討会議は、相次ぐ大型商業施設の閉店方針を契機に昨年7月に発足、計4回の会合で市民や各種団体の意見を募り、提言をまとめた。赤羽会頭は「市民の松本への強い思いが込められた提言。より良いまちにするために活用を」と望んだ。
 市は新年度、JRや交通事業者、宿泊施設と協力し、松本駅の交通ターミナル強化などを検討する。臥雲市長は「松本でないとできないまちづくりを進める。全国のモデルになるような中心市街地の再活性に取り組む」と応じた。