鹿毛に注目!剣道の小手に 麻績の協力隊員・平林さんが研究

筑北地域に生息する鹿の皮の特産化を目指す麻績村地域おこし協力隊農業班の平林結さん(36)が、鹿毛(体毛)を有効活用する方策を研究している。鹿毛は剣道の防具・小手の緩衝材に利用されており、国産は海外産に比べて毛の柔軟性が高く珍重されるという。平林さんは狩猟や有害鳥獣駆除で廃棄されがちな鹿皮を皮革(鹿レザー)化する研究に取り組んでおり、副産物の鹿毛も特産化ができるか可能性を探っている。
鹿毛は成獣の毛の長さが4~5センチで、尾周りの白い毛は十数センチとなる。剣道経験者の平林さんによると、鹿毛は内部が中空構造で太く丈夫な一方で軽くしなやかさもあり、剣道の小手用に詰める緩衝材としては綿入りに比べて高級品だ。特に国産材は手によくなじみ、有段者のオーダーメード用に好まれているという。
昨年末に村職員の助言で鹿毛の活用に目を向けた。現在は鹿皮と鹿毛の効率的な採集・洗浄の方法や仕組みづくりを研究しており、いずれ防具メーカーへ素材を持ち込む計画だ。平林さんは「メーカーのニーズも確認しながら計画を進めていきたい」と意欲を語っている。