政治・経済

松本市、奨学金返還補助の対象者拡大へ 医療・福祉・学校の各法人就職者にも

 松本市は新年度、奨学金返還支援事業の対象者を拡大する。これまでは市内の中小企業に就職した人が対象だったが、医療法人や社会福祉法人、学校法人などへの就職者にも対象範囲を広げる。これにより看護・介護従事者が補助を受けられる可能性が高まる。市は新年度の早い段階で詳細を固め、来年1月以降の申請受け付け開始を予定している。

 同事業は、市の人口定常化策として令和4年度にスタートした。市内に本社や本店がある中小企業へ就職した35歳未満の人が奨学金を返済している場合、年間返済額の3分の2以内(上限15万円)を、最大5年間補助する。中小企業支援やU・Iターンの促進などが狙いで、市内に5年以上住むことなどを補助の条件にしている。
 事業初年度の4年度は41件(補助額約167万円)、5年度は56件(同518万円)に交付した。本年度は70件(約673万円)の交付を予定している。
 事業開始当初から、医療機関や福祉施設、私立学校に就職した人から相談が寄せられたものの、対象外だったため補助金は交付されないケースがあった。市移住推進課は、対象範囲を拡大することで、高齢化の進行で今後、人材の需要が高まる看護や介護の現場の支えにもつながることを期待する。「若者と女性に選ばれるまちづくりの一環として、制度を多くの人に活用してもらえるように拡充した」と話している。
 事業は新年度から、市の機構改革で新たに発足する若者参画課が担当窓口になる。