御嶽山の周辺地域 令和7年度末にも国定公園に 長野・岐阜両県が環境省に申し出へ

県環境審議会が18日、県庁で開かれ、木曽町や王滝村などの御嶽山の周辺地域が、最短で令和7年度末に「御嶽山国定公園(仮称)」に指定される見通しであることが示された。長野県側の「御岳県立公園」と、岐阜県側の「御嶽山県立自然公園」の区域を合わせて国定公園の指定を目指す。来週にも長野・岐阜両県が環境省に国定公園の指定を申し出る。
国定公園に指定されると、登山道などの整備に国の補助金が活用できる。新たに「特別保護地区」を設定することが可能になり、特に優れた自然景観や原始状態を維持する仕組みが整う。長野・岐阜の両県が一体となって、御嶽山の知名度向上に取り組むことも期待される。環境省は令和4年度に、御嶽山を国定公園の新規指定候補地として選定していた。
審議会では、両県が作成した指定書と公園計画書の素案が示された。御嶽山を国定公園に指定する理由として▽標高3000メートルを超える火山性の独立峰で、雄大な景観を有する▽頂上から麓まで連続的に自然植生が変化する様子が見られる▽古くから山岳信仰の対象で、自然と文化が融合した文化景観が見られる―ことなどを挙げている。
国定公園の指定面積は約2万8000ヘクタールで、うち164ヘクタールを「特別保護地区」としている。同地区は学術研究などを除いて、原則として現状変更ができない。
両県の申し出を受け、来年度に環境省が指定に向けた手続きを進める。