消防副団長に初の女性 西沢さん4月に就任 団員確保へ新組織統括

団員確保に向けた組織改革を進める松本市消防団(宮坂明直団長)は来年度、副団長に女性を起用する。女性部を発展的に解消した新たな組織「支援隊」を統括する役目を担う。20年にわたって消防団の活動をしてきた第1分団副分団長の西沢知恵美さん=松本市両島=が、初の女性副団長に就任する。
松本市の消防団員数は1705人(3月1日現在)で、うち74人が女性団員。5%未満と低く、女性団員の確保が課題だ。平成13(2001)年4月に発足した女性部は7人が所属しており、広報活動や災害現場での応急手当てや避難誘導といった後方支援活動を主な任務としてきた。
支援隊は従来の活動に加え、企業などを訪問する入団促進活動や自主防災組織に対する訓練指導などの任務に当たる。性別、年齢にかかわらず入団でき、女性部の入団条件(女性であること、年齢上限45歳など)を撤廃することで団員確保を目指す。
現在の消防団本団の体制は団長1人に各地域から選出された副団長8人で、いずれも男性だ。西沢さんが就く女性副団長のポストは担当ブロックはもたずに、支援隊の活動に専念する。副団長は9人体制となる。市は新年度当初予算に年額報酬12万9000円を計上し、17日に閉会した市議会2月定例会で可決した。
西沢さんは平成17年に入団した。豊富な経験があり、消防団内から選出した。西沢さんは「古い価値観の男性社会という消防団の悪いイメージを変えたい。女性の視点を活動に生かしていきたい」と話している。