政治・経済

伊佐治氏、松本市政初の女性副市長に

 松本市議会は17日に市議会2月定例会の本会議を再開し、臥雲義尚市長が提出した、副市長に教育長の伊佐治裕子氏(64)=南松本1=を起用する人事案に同意した。伊佐治氏は昨年10月に2期目に入ったばかりの宮之本伸副市長(60)の後任で、教育長の2期目の任期を2年余り残していることから、議長を除く議員29人で起立採決をした結果、11人が同意しなかった。伊佐治氏の任期は4月から4年間で、松本市政で初めての女性副市長に就く。

 市議会は伊佐治氏の後任の教育長に、県教育次長の曽根原好彦氏(59)=松本市惣社=が就く人事案に同意した。任期は伊佐治氏の残任期間の令和9年3月末まで。副市長の人事案に関連し、起立採決で8人が同意しなかった。
 人事案が全会一致とならなかったのは異例で、議会からは「議会の同意権を軽視している」といった批判が相次いだ。議員1人が反対の立場から議案質疑し、7人が意見を述べる事態となった。2期目に「共感と納得」を掲げた臥雲市長の姿勢を問う市議もいた。
 臥雲市長は質疑に対し、昨年3月の市長選で女性副市長の起用を公約に掲げたことに触れ、理解を求めた。
 松本市の副市長は2人体制で、臥雲市長は再選後、副市長に市職員出身の中野嘉勝氏(60)を新任し、民間出身の宮之本氏を再任した。伊佐治氏の就任で2人とも市職員出身となる。伊佐治氏は「市民一人一人が幸せと豊かさを実感できるまつづくりに向け、市民の声に真摯に耳を傾け、粉骨砕身して職務に当たる」と議場であいさつを述べた。

 伊佐治 裕子氏(いさじ・ひろこ) 松本県ケ丘高、立教大学文学部卒。昭和58(1983)年に市役所に入り、教育政策課長、こども部長、総務部長などを務めた。令和3年4月に教員経験者でなく、かつ女性初の市教育長に就任した。