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五穀豊穣祈り矢を放つ 穂高神社で奉射祭

大的に向かって矢を放つ神職

 安曇野市の穂高神社で17日、白羽の矢を放って邪気を追い払う祭り「奉射祭」が行われた。神楽殿前に直径1.6メートルほどの大的を掲げ、神職たちが12.5メートルほど離れた拝殿から交互に弓を射り、家内安全や五穀豊穣を祈った。

 神職たちは12カ月を表す12本の矢を放った。的に当たると歓声が上がり、魔よけや豊穣の守りにしようと、参拝客がわれ先にと矢に手を伸ばしていた。矢をつかんだ穂高有明の女性(59)は「ちょうど還暦になるのでいい年にしたい。健康でさらなる飛躍ができれば」と話した。12本中6本が的中し、保尊勉宮司は「気候変動を忍ぶ年になるのではないか。いいことも半分ある」と話していた。
 奉射祭は安曇野に春を告げる祭りで知られる。市有形文化財に指定されているお供えの台「鷺足膳」の塗り替え・修復がこのほど完了し、神事で使われた。