レンタル植物始めました 松本市中央図書館に癒やし 館内で読書・学習のお供に

図書館内の「お供」に植物はいかが―。
松本市蟻ケ崎2の市中央図書館が「レンタルプランツ」なるユニークな取り組みを始めた。目や頭を使う読書や学習の合間に、手元に緑を置いて一息ついてもらおうと、観葉植物を無料で貸し出すサービスだ。市立図書館を巡っては近年ハード整備の話題が注目されがちだが、利用者に寄り添い一手間かける職員のアイデアは、ソフト面から施設を考えるきっかけにもなりそうだ。
1階ロビーと2階の書架コーナーの一角に、計20鉢の観葉植物が置かれている。虹の玉、火祭、オーロラ...などさまざまな種類の多肉植物で「図書館内でのオトモにいかが」の案内も。退館時の返却を条件に、閲覧席や学習スペースに自由に飾って過ごすことができる。
きっかけは昨春、職員の町田絵美さん(30)が趣味で育てる多肉植物を職場に持参したことだった。増やした鉢を希望する同僚に譲ろうと考えたという。すると藤森千穂館長から「館内でレンタルしてみては」と提案された。藤森館長らは一昨年、大阪府の泉大津市立図書館を視察。観葉植物の貸し出しの他、自然界の音や植物の香りを演出し、視覚、聴覚、嗅覚を介した癒やしを提供するサービスを見学していた。
中央図書館でも早速取り組んだところ他の職員の協力も得られ、先月から人目に付きやすい1階ロビーにレンタルコーナーを増やした。藤森館長は「利用の形跡があるとうれしい。静かに広がり、ほっと一息ついてもらう一助になれれば」と話している。