生坂村、新年度から自前の送電線構築

脱炭素先行地域事業を進める生坂村は13日、村内に独自の送電線を張り巡らす「村自営線マイクログリッド構築事業」の詳細を明らかにした。対象となる上生坂・草尾両地区のうち、新年度は村役場など公共施設が集中する上生坂地区を対象とし延長約3080メートルの送電網を構築する。主な送電線は、地区内を通る県道上生坂信濃松川停車場線をルートとし、やまなみ荘から生坂ダムにかけて地中に埋設する「地中線」方式で通す計画だ。
村議会3月定例会の総務建経委員会で説明した。計画によると、地中線は県道沿いの役場・村民会館やB&G海洋センターなどにも通し、村農業公社などやや奥まった施設とは電柱から通す「架空線」でつなぐ。
自営線を利用することで各公共施設は小水力・太陽光で発電された電力を柔軟に融通し合える。地中線は、既存の送電線・通信線と機能・景観面で無理なく共存できるという。
村は新年度一般会計当初予算案の自営線マイクログリッド構築事業に5億2650万円を計上した。上生坂地区に続いて、8年度以降に草尾地区でも自営線を整備する計画だ。
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村は13日、生坂ダムで行う小水力発電所の整備方針も示した。犀川左岸側に取水口と約160メートルの水圧管路、発電所をそれぞれ設ける。事業期間を7~10年度とし全体事業費の限度額を5億9400万円とした。新年度は本格工事に向け仮設道路設置や水圧管の敷設まで行う計画で、新年度当初予算案に1億5840万円を盛った。