政治・経済

JAあづみのアンケート 管内で農業の後継者不足が深刻に 高齢化も進み従事者の65%が70代以上

  JAあづみは、組合員を対象に令和6年7月に行ったアンケートの結果を公表した。管内(明科地域を除く安曇野市、松本市梓川地区)の農業従事者は、70代以上が65%を占め、3年に行った前回調査の57%から高齢化が進んだ。後継者については「いない」「必要ない」が42%、これに「まだ分からない」を含めると78%に上り、後継者不足が深刻な状況が浮き彫りになった。

  アンケートは無作為に正組合員1153人、准組合員424人を選び、1517人から回答があった。回答率は96・1%。
 年齢構成は、回答者1514人のうち、70代が最も多く629人で、80代以上が357人で続いた。40代以下は67人にとどまった。
 後継者については、回答者1097人のうち、「まだ分からない」が最多の396人、「いない」が390人、「農業をしていないので必要ない」が75人だった。
 「困っていること」を問う設問(複数回答)では、「生産資材が高い」が490件で最多。「販売単価が安い」が394件、「後継者がいない」が304件で続いた。
 高齢化、後継者不足について、宮澤清組合長は「全体的に見て5年後は経営を維持できているが、10年後は今のままだと遊休地が増え、産地が衰退する恐れがある」と見ている。
 対策として同JAは、新規就農者への支援、果樹地を中心にした農地融通の仕組みづくり、生産品目の再構築に力を入れる方針だ。アンケートの結果を踏まえ、2月27日に承認した3カ年計画(令和7~9年)に対策を反映させた。