生徒の「孫の手」地域も歓迎 塩尻西部中の貢献活動終了

塩尻市の塩尻西部中学校が、本年度初めて取り組んだ地域貢献活動「孫の手プロジェクト」が終わった。回覧板での周知や保護者への通知などで地域の団体や人たちから手伝ってほしいことを募り、応じた生徒に、学区内に本拠地がある事業所で使えるチケットを報酬として贈る仕組みで、延べ95人の生徒が参加した。来年度も続ける方針だ。
5団体と1人が手伝いを求めた。生徒は、宗賀公民館の依頼で夏休みの宗賀小学校児童の勉強の世話をして一緒に遊んだり、複数の農園で農作業や接客をしたりした。ふれあいセンター洗馬では昨年12月、クリスマスコンサートの会場装飾や豚汁販売などを手伝った。
いずれも3年生の青木佳穂さんは「地域の人たちとの会話が楽しかった」と話し、内田汐乃さんも「全部楽しかった。役に立てるのは光栄」と振り返る。チケットについて青木さんは「使えるのがうれしかった」、4枚もらった中尾碧沙さんは「使うことで、地域が活性化すれば」と考える。
学校と地域が一体となって学校運営に臨むコミュニティースクール(CS)が市内の全小中学校で始まって9年目になる。CS実施当初からの3年生はもちろん、全生徒が地域の世話になっていることになる。髙坂由美子校長とCS担当の教諭が、恩返しのプロジェクトへの参加を全校に呼び掛けた。
「mago」を単位とするチケットは生徒の自発的参加を促しつつ、地域への還元も図ろうと用意し、300枚余りを配った。学区内に拠点がある飲食や農園など4事業所で使える。市が学校に出すCSの補助金を活用している。
手伝いを求めた事業所などの反応は好意的で「地域で子供たちを育てようという思いがあることが分かった」という。生徒にも地域とのつながりを誇る考えが広がった。髙坂校長は「参加した生徒はすてきな表情を見せてくれた。学校と地域をつなぐプロジェクトになったのなら良かった」と話している。0