三郷の宮澤ファーム お米番付大会で入賞 乾田直播方式で栽培 おいしさ評価

京都市の老舗米店・八代目儀兵衛が主催する「お米番付第11回大会」で、安曇野市三郷明盛の宮澤ファームの6年産コシヒカリが入賞した。乾いた田んぼに種もみをじかにまく乾田直播方式の節水で栽培した米で、182品の中で8位以内に入った。同ファームの宮澤和芳さん(40)は「労力の軽減だけでなく、おいしさが証明された」と喜んでいる。
食味は、水田のコシヒカリが「軟質でもっちり」なのに対し、乾田直播・節水は「硬質であっさり」している。それが「さわやかな味」と評価され、最高賞(1品)、優秀賞(3品)に次ぐ入賞(4品)となった。
同ファームは昨年、42ヘクタールで稲作を行い、そのうち7ヘクタールは乾田直播だった。7ヘクタールのうち30アールは、水かけが5回の節水で栽培した。
乾田直播は育苗が不要で、水田の稲作より労力がかからず、主要作業が水田とずれる利点がある。昨年の種まきは4月18日で、水田での田植えより早かった。収穫は9月24日で、水田での稲刈りよりも遅かった。ただ、水田に比べて、収量は1割ほど少ないという。
出品182品のうち、乾田直播・節水の栽培米は同ファームだけだ。5年ほど前から栽培を試し、今回ようやく出品にこぎつけた。
同ファームには、他生産者の視察も多い。宮澤さんは「数年前は『乾田直播で栽培できるのか』という質問が多かったが、それは実証済み。最近は『おいしいのか』という質問が多いが、入賞でおいしさも証明できた」と自信を深めている。
受賞米は、八代目儀兵衛が経営する東京・銀座と京都・祇園の料亭で提供される。
宮澤さんは「将来に向け、乾田直播の栽培を増やしたい」と話している。