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福祉避難所 課題を共有 県災福ネット 大桑で臨時設置の訓練 

臨時の福祉避難所を設置する訓練をする参加者たち

 県内の福祉団体などでつくる県災害福祉広域支援ネットワーク協議会(県災福ネット)などは28日、災害時に高齢者や障害者など「要配慮者」を受け入れる「福祉避難所」を臨時で立ち上げる訓練を、大桑村の野尻地区館で開いた。昨年1月の能登半島地震での支援経験から、必要性を感じてクラウドファンディング(CF)を実施、そろえた用具で初めて企画した。参加者が課題を共有した。

 福祉避難所は、行政と協定を結んだ福祉施設などが指定される。ただ、能登半島地震では、施設が被災するなどしてうまく機能しない例があった。
 こうした場合に、公共施設などに臨時で同避難所を設けて対応できるよう、昨年にCFを行い74万5000円が集まった。テントや段ボールマットを購入し、訓練や災害時の使用につなげていく。
 大桑村の訓練は、中南信の福祉関係者や行政職員ら約50人が参加。用具の組み立てを実践した。グループに分かれ、車いす利用者や認知症の人など、具体的な避難者を想定して負担の少ない避難所の配置、必要な物品を話し合った。
 村社協がCFに最も多く出資した縁で、大桑での開催となった。社協の木下博昭事務局長は、南海トラフ地震や道路寸断による孤立などを懸念し「地域みんなで課題を理解し合い、連携して備えていきたい」と話した。
 今後も各地で訓練を開く予定。担当の災福ネット事務局・県社会福祉協議会の山﨑博之さんは「地域に意識を広め、防災や福祉の一体となった推進につなげたい」と話した。