上高地線 さらば3000形 3月9日に定期運行終了

アルピコ交通(松本市)は、上高地線の3000形電車「モハ10形リバイバルカラー列車」の定期運行を3月9日で終了する。架線の霜を取る装置を備えており、冬季に運行してきたが、老朽化が進んだため役目を終える。車両のヘッドマークを12日から「thank youマーク」に変更し、長年の利用に感謝して残りの期間を走らせている。
京王電鉄(東京都)などで使われた車両で、平成11(1999)年から上高地線で運行され、60年以上にわたり乗客を運んできた。車体のオレンジ色と灰色は、昭和61(1986)年まで同線を走っていたモハ10形と同じ色で、懐かしさから人気が高かった。
令和3年には、大雨で上高地線の田川橋梁が流された影響で松本駅ホームに10カ月取り残された。一度は廃車も予定されたが、他の列車繰りの関係で4年に現役復帰し、定期運行されてきた。
上高地線の車両は更新が進み、3000形は1編成のみだった。検査有効期限となる6月まで、イベントなどでの走行を予定する。アルピコ交通鉄道事業部の隠居哲矢部長は「定期運行はあと少しなので、多くの人に乗車してもらいたい」と話していた。