大切な居場所で同窓会 子供の支援スペース「はぐルッポ」に10人集う
学校に通えなかったりなじめなかったりする児童生徒や保護者の支援相談スペース「はぐルッポ」(松本市浅間温泉1)で23日、はぐルッポを巣立ったOBOGの"同窓会"が初めて開かれた。はぐルッポでの出会いや経験を糧にそれぞれの道を歩む高校生や大学生、社会人ら10~20代の10人が県内外から参加。ここがあったから今の自分がいる―。大切な居場所での再会に笑顔が広がった。
「超久しぶり」「大人になったね!」
初めこそ緊張した面持ちだったがすぐに打ち解け話を弾ませた。参加者たちがはぐルッポに通ったのは小学生や中学生の頃。学校も学年も住む場所も違ったが、共通の居場所でつながる仲間意識は今も健在だ。「ここではやっちゃいけないことも、やらなくちゃいけないことも無かった。思いや考えを尊重してもらえた」。安曇野市の大学生・山本郁さん(21)が振り返った。
はぐルッポが官民協働で誕生したのは平成25(2013)年。当時は同市旭3の女鳥羽川沿いで、教員住宅を活用して始動した。学校に通わせることを一義的な目的とせず規則で縛ることもなく、子供たちの内側から力が湧いてくるのを待つ。通う中で自己肯定感を育み、巣立った後も人生の報告を続ける若者は少なくないという。
この日参加した池田町の陶芸見習い・片岡大輝さん(22)もその一人。クラスになじめず小学生の時に不登校になったが、はぐルッポに出合い、前を向くことができた。社会とのつながりを大切に生きる今の生活に触れ「この場所があったから外の世界に出ることができた。感謝でいっぱい」と話した。
関係者は今後も同窓生の輪を広げていく。運営するNPO法人はぐまつの西森尚己理事長は「今でも心の支えにしてくれていることが本当にうれしい。これからも若者に寄り添い続けたい」と感慨深げだった。