伝統のカジカ漁 安曇野の河川で最盛期

安曇野市の犀川や穂高川、高瀬川などで伝統のカジカ漁が最盛期を迎えている。ヤナギの枝や竹で筒状に編んだ「筌(うけ)」と呼ばれる道具を浅瀬に仕掛けておき、産卵で川をさかのぼる習性を利用して捕らえている。今月末まで行われている。
穂高北穂高の丸山秀司さん(78)は1月3日に漁を始めた。これまでに100匹ほど捕らえたが、昨年の半分程度だという。「(仕掛ける)場所にもよるが、今年は平均的によくない。これも陽気のせいかな」と受け止めている。18日に引き上げた筌には10匹入っており、カジカを手のひらに載せて「かわいいねえ」と笑った。
捕らえたカジカはいけすに入れておき、お世話になった人に贈っているほか、焼いたり甘露煮にしたりして食べる。漁仲間の仕掛けが何者かに荒らされたという情報も入っており、丸山さんは「老後の楽しみを奪わないでほしい」と語る。