松本の2教諭が文科大臣表彰 創意工夫の取り組み評価

松本市の丸ノ内中学校の矢代祐介教諭(48)と並柳小学校の永田豊教諭(45)が、本年度の文部科学大臣優秀教職員表彰を受けた。矢代教諭はデジタル技術を活用した課題解決の実践教育で、永田教諭は通知表の2期制への変更などの取り組みが評価された。
矢代教諭は技術家庭科の授業に、課題解決型ロボットの製作や、水耕レタス栽培を全自動管理するシステムづくりを導入している。生徒がグループをつくり、プログラミングから設計、3Dプリンターによる部品作りまで行っている。レタス栽培では模擬会社をつくって経営まで考えたスマート農業を体感させている。これらの取り組みを他の学校に普及させる講師活動などもしている。
デジタル技術で課題解決ができると知れば「モノを見る目が変わる」といい、「この授業をきっかけに高専に進む生徒もいる。デジタルイノベーションをけん引する人材になってくれればうれしい」と期待する。
永田教諭は理科を教え、教務主任として通知表の2期制への変更や、児童の運動着の登下校導入、授業時数の見直しに取り組んできた。
3回ある通知表作成を2回に減らすことで負担を改善し、授業の入念な準備や、児童と向き合う時間をつくった。運動着での通学は着替え時間の省略を目的に昨年9月から試行を始めた。これにより更衣室として利用していた空き教室の混雑問題も解消された。授業時間数の見直しは児童の集中力の持続時間や外遊びによる運動時間の確保などに配慮しており、「変化が激しい時代に子どもに本当に必要な活動は何か考えて、学校の仕組みをつくっている」と話す。