安曇野市内の小学5年生 オンラインで世界とつながる外国語の授業 本年度に開始

安曇野市教育委員会は本年度、小学5年生の外国語の授業で、海外に居住する外国人とのオンライン交流を全市的に始めた。相手の外国人がカメラで周囲の住環境を紹介し、子供たちは気候や時差、生活習慣の違いをリアルに感じ取る。異文化への好奇心がかき立てられ、積極的なコミュニケーションにつながっている。
14日は豊科南小の5年生約120人がグループに分かれ、米国、オーストラリア、エジプトの元ALT(外国語指導助手)ら講師6人とモニター越しに交流した。子供たちは安曇野の桜の名所やワサビ田を写真で紹介し「あなたの町のことを教えて」と英語で尋ねた。
講師はそれぞれ、マウイ島の牧場や砂漠のキャンプ場などの特色をスライドで紹介。さらにビデオカメラで自宅の暖炉や食材、絵本、マンゴーの木がある田舎の景色などを撮影した。最初は緊張気味だった子供たちも「すごい」と興味津々で画面を見つめ、「料理はしますか」「好きな動物は」などと質問して会話を弾ませていた。
松田琉璃さん(11)は「英語が苦手だったけれど結構しゃべれた」、英国人と日本人の親を持つ奥村縁蔵君(11)は「久しぶりに英語を話せて楽しかった」と喜んでいた。
5年生は科目に外国語が追加され、英語学習が本格化する時期。市学校教育課の担当者は「初歩的な英語でも十分伝わる喜びを体験することは英語学習のスタート時期に重要。学習意欲につながる」と狙いを話す。オンライン交流授業は、ALT派遣会社の協力を得て昨年度に一部の学校で試行、本年度は全10校に拡大した。来年度以降も続ける方針だ。県内では須坂市でも行われているが、全市的に取り組む事例は少ないとみられる。