政治・経済

松本城の案内看板統一へ 来訪者の動線見直しも 市が来年度に調査

松本城公園に掲げられた案内看板。デザイン、材質が異なり統一感に欠ける状態となっている

 松本市は来年度、国史跡内の松本城公園や本丸庭園に掲げられている、さまざまな用途の案内看板(サイン)を統一するための調査に着手する。異なるデザインや大きさ、材質の案内看板が乱立し、統一性に欠いている現状を改善するため、新たな計画に基準を盛り込む。案内看板の統一に合わせ、松本城を訪れる人の流れ(動線)の在り方も見直す。
 案内看板は複数の用途があり、史跡の内容を解説する「説明」、トイレなどへの「誘導」、立ち入り禁止箇所を示す「注意喚起」といった種類がある。市教育委員会や民間事業者など設置者が異なるため全体数を把握しておらず、まずは現状調査から始める。
 市は新年度一般会計当初予算案に調査委託料815万円を計上した。来年度に調査を始め、令和8年度末をめどに案内看板の基準や城を訪れる人の動線を記した「史跡松本城サイン・動線計画」を策定する。
 動線の見直しでは、松本城天守への本来の登城路である太鼓門から史跡内に入る動線を正規ルートにできないか検討する。現在は明治期以降に設置された土橋から入るルートが一般化しているが、市文化財課の担当者は「土橋を通るルートを残しつつ、お城の本来の良さを体験してもらうため、太鼓門から入るルートを推したい」と話す。
 また、史跡に指定されているものの、飛び地で人が訪れる機会が少ない「西総堀土塁公園」や「東総堀」への回遊性を高める動線も検討する。
 史跡内の看板は史跡を説明する案内看板が少ない傾向にあり、石板に文字が刻まれた読みにくいものや内容が統一されていないものが散見される。市教委文化財課の竹内靖長・城郭整備担当課長は「調査を基に適正な看板の数を決めたい。多言語化や子供にも分かりやすい案内看板の在り方も考えていく」と話している。