教育・子育て

山形村在住の駒師・遠藤燈月さん 小学校に自作の将棋駒寄贈

自作の将棋駒を寄贈した遠藤さん(右)と受け取った将棋クラブの児童たち

 山形村の山形小学校に13日、将棋の駒を作る駒師として活動する同村上竹田の遠藤燈月(本名・知宏)さん(45)が自作の駒1組を寄贈した。プロ棋士を招いた将棋教室を行っている同校の活動を知った遠藤さんが、手作りの温かさを感じる駒を地域の子供たちに使ってほしいと寄付を申し出た。同校将棋クラブの6年生3人が代表で受け取り、早速、木製駒で将棋を指して良さに触れた。

 校内にある将棋駒はこれまでプラスチック製のみで木製駒は初めてという。遠藤さんは「手作りの道具を身近に置いてぬくもりや豊かさを感じてもらえたら」と願った。受け取った赤羽吟太君(11)、林蓮君(12)、波多野竜希君(12)は、3人で手書きした感謝状を遠藤さんに贈り感謝を伝えた。実際に駒を使って見ると「音がいいし、手触りもいい」と目を輝かせた。初めて木製の駒を使った赤羽君は「うれしい。学校の宝物として大事にしたい」と話した。
 遠藤さんは松本市内の楽器メーカーで働き、ギター製造に20年余り携わる。十数年前から将棋が趣味で、楽器製造で培った木工や塗装の技術を生かせるのではと考え、令和5年夏に駒作りを始めた。日本を代表する駒師の大澤富月さんに師事し、大澤さんが主宰する駒師の育成団体「富士駒の会」(静岡県富士宮市)に所属している。大澤さんが静岡県内の小学校に駒の寄贈を続けている活動に倣って寄贈を行った。寄贈品は大澤さんが原木から切り出した駒に、遠藤さんが彫刻刀で字を彫り、漆を入れた。
 遠藤さんは「子供たちが喜んでくれてうれしい。将棋のタイトル戦で自作の駒が使われるような駒師を目指したい」と話している。