2025.2.20 みすず野
何か一つのことを究めよう、あるいはできるようになろうとすると、どこかでぶつかる壁のようなものが待っている。それを乗り越えると次の段階に進めるが、立ち尽くし、諦めてしまうと、それまでの努力は水泡に帰してしまう◆音楽家の高田漣さんは、ギターを弾こうとする初心者の多くが挫折を経験するのは「Fの壁」という難題が存在するからだと説く。Fはコード(和音)名で6弦から1弦まで全ての弦を人さし指で押弦する。ファとラとドからできている。「Fがどれだけ多くの人々を阻んできたことか」と語る(『ギターというモノ/ギタリストというヒト』DU BOOKS)◆ではどうするか。「楽器の演奏技術習得に関して唯一の解決策は練習あるのみ」だという。「短期間でお手軽に弾けるようなそんな楽器など存在しない」とも。できるようになると過去の自分の姿は思い出せず、自転車の運転や鉄棒の逆上がりにも似ていると◆では文章はどうか。記事はどうか。これも上達法は楽器と同じかもしれない。何か画期的な方法があったら教えを乞いたい。Fのコードは押さえられるものの演奏技術はほぼ初心者のままだ。