連載・特集

みすず野2025.02.17

 大根を千切りや薄切りにして乾燥させた切り干し大根(干し大根)は、保存食として親しまれてきた。きょうはその日だという。広島県の乾燥食品メーカーが制定した。「干」を二と一に分け、「切り」の偏を合わせて「2月17日」にした◆『乾物の事典』(星名桂治著、東京堂出版)によると、冬の生野菜が不足する時期が最需要期。全国各地で作られている。干し大根のなかでも、全国的に流通しているのが切り干し大根で、江戸時代初期に凶作対策として開発された保存食だ◆俳優の沢村貞子さんの『わたしの献立日記』(中公文庫)には、昭和41(1966)年4月から翌年2月までの夕食の献立が載っている。「切干し、油揚げの煮つけ」「切干し大根、油揚げの煮もの」「切干し大根、小松菜、油揚げの煮びたし」がある。63(1988)年1月から9月には同じような献立が4回見られる◆『事典』はほかの乾物と相性がよく、一緒に煮炊きでき、だし汁と合わせると汁のうまさが増すと説く。調理の仕方で、よく言う「しょびしょびした」味になるのがなによりも持ち味だろうか。おかずとしてはもちろんだが、酒にもよく合う。