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芸術は偶然だ!木箱アート 四賀化石館で職員発案の展示会

偶発的に生まれた木箱アートが並ぶ展示室

 芸術は偶然だ! そんなインパクトのあるうたい文句の木箱アート展が、松本市七嵐の市四賀化石館で開かれている。同館の工作教室で使う木箱に意図せず付着した絵の具に芸術性を見いだし、自由な発想で独創的なタイトルを付けて展示した。職員のアイデアが光る試みが、来館者を楽しませている。

 化石のレプリカ作りなどの際に、着色用の絵の具が周りを汚さないよう使用する長辺25センチ、短辺18.5センチ、厚み数センチの木箱12点を並べた。木箱の底には長年にわたって、何人もの参加者が使用する中で付着した絵の具が鮮やかに重なり合い、さながら抽象画のようだ。
 「風に揺れる大木」「森を見下ろす少年」「椿」「虎」「鳳凰の叫び」など、1点1点にはタイトルの記載も。学芸員の塙東子さんが昨年末に展示を思い付き、同僚の職員と自由な発想で命名したという。"無名"の木箱アートには来館者から題名を募るプレゼント企画も実施しており、1月末までに40件近い応募があった。塙さんは「何に見えるかは人それぞれ。自由な発想や豊かな感性で楽しんで」と話している。
 2月末までは土日祝日のみの冬期開館。展示は2月16日まで予定し延長もありうる。