「朝食抜き」の小中学生増加 塩尻市学校栄養士会が調査
塩尻市の小中学生で朝食を食べない子供が、この10年で増加傾向にある。市学校栄養士会が本年度、市内の全14小中学校の児童生徒を対象に行った「食に関する実態調査」で朝食の摂取の有無を聞いたところ、「食べた」中学生は全体の94・2%で、平成26(2014)年の調査以降最低だった。食べた小学生の割合は96・9%で、中学生に比べて高いが、過去最低だった。摂食率は年々低下している。
市学校教育課によると、昨年9月に調査をし、小学生3157人のうち2837人(回答率89・9%)、中学生1505人のうち1105人(同73・4%)が回答した。
同課は摂食率の低下の理由として、新型コロナウイルス感染症対策で、栄養士や栄養教諭が食事や食生活の指導をする教室訪問をやめていたことを一因とする。
家庭面では、共働きの夫婦や、夕方遅くまで働く親が増え、夜に習い事や塾通いをする子供も多く、夕飯の時間が遅くなっている。寝る時間が遅くなって朝早く起きられず、朝食を食べられない、食べない状態で登校する可能性が考えられるとする。
子供の頃から朝食を取らない習慣がある親や、朝食がない家庭で育った親もいる。その影響を受ける小中学生が将来、親と同じように朝食抜きが当たり前になることが心配されるという。
同課は「1日3回の食事は生活のリズムやサイクルをつくる。朝食の必要性を子供や親に伝えていきたい」とし、栄養士や栄養教諭、養護教諭が中心となって児童生徒に指導し、親には給食便りを通じて啓発していく。