連載・特集

2025.1.19 みすず野

 鍋をつつきたくなる寒い日が続く。きょうは、信州・まつもと鍋の日。「おいしい信州ふーど 信州・まつもと鍋開発プロジェクトチーム」が平成26(2014)年に制定した。日本記念日協会(佐久市)から登録証を受けている。1月19日以外に、2月19日と12月19日も同じく◆松本市と松本大学、JA松本ハイランドが主体となって、チームをつくった。記念日が制定された当時、松本地方産の食材をふんだんに使う鍋料理の開発に取り組んだ。完成した鍋は、松本一本ねぎと鶏肉を焼き、野菜と和風だしを入れて煮込み、具材を、すりおろしたリンゴと、ポン酢を合わせたつけだれで味わうものだった◆松本大学の白戸洋教授は「なるべくシンプルにした」と当時を振り返る。のちに加える地域の食材を多くするためだ。ご当地鍋の開発は、地域食材のPRと同時に、地産地消の推進が目的だった。地元食材に目を向け、地域の活性化を図るねらいも根底にあった◆鍋は、湯気の向こうに見える家族や友人の笑顔も隠し味となる。鍋をつつく仲とは、よく言ったものだ。あつあつの食材を口に運び、会話が弾めば、身も心も温かくなる。