社会人と真剣に対話 塩尻・丘中で「いきはたトーク」

塩尻市の丘中学校2年生と、市内の事業所で働く社会人や高校生らが、生き方や価値観などについて言葉を交わす「いきはたトーク」が9日、同校で行われた。進路選択が本格化する時期に差し掛かった生徒約120人は将来を考えるヒントを探し、社会人らにとっても自身の人生を考える機会になった。
市教育委員会の委託で、大門八番町のNPO法人MEGURUが事務局を務める「共創共学プラットフォーム」の事業の一つとして行われた。
3人前後の生徒と社会人ら"先輩"1人が一組になった。全員が自身のこれまでを振り返り、感情の起伏で表現した「人生グラフ」を下敷きに、1対1で対話する時間をつくった。"先輩"の話を聞く紙芝居のコーナーもあった。
1対1の対話では互いに、親身になって言葉を交わした。生徒の柳生遥さんは「いろいろな人と語り合える機会はほかにない。今までの人生で一番面白い経験ができた」と喜んだ。"先輩"として参加したサン・サンこども園の丸山紗弥さん(25)は「私も中学生の時、悩むことがあった。過去の自分と照らし合わせ、対等な関係で話を聞きたい」と話していた。
保護者や先生、友達以外にも、真剣に話を聴いてくれる人が世間にいると、生徒に感じてもらおうという考えがある。黒沢幸喜校長は「生徒が、一人ではないと実感できる時間になった。今後の生き方を考えることにつながればと思う」と期待していた。