政治・経済

八十二銀と長野銀合併 自社に「悪い影響」4割弱 長野銀メインバンク企業 松商短大が調査

 松本大学松商短期大学部(松本市)の研究グループは5日、県内金融機関についての県内企業の意識調査(速報値)を発表した。長野銀行(松本市)をメインバンクとする企業の4割近くが、令和8年1月の八十二銀行(長野市)と長野銀の合併を、自社に対し「悪い影響がある」と捉えていることが分かった。
 松商短大経営情報学科の飯塚徹教授らが帝国データバンクに委託して調査した。調査は今年6~7月、八十二銀、長野銀、県内の6信用金庫、県信用組合と取引のある600社に郵送で実施。313社(52・2%)から有効回答を得た。
 両銀行の合併が自社へ与える影響について、八十二銀をメインバンクとする企業で「悪い影響がある」と回答したのは6・3%だったが、長野銀をメインバンクとする企業では36・6%を占めた。合併に関する不安な点を問う質問(複数回答可)で、長野銀をメインバンクとする企業は「競争環境の緩和(選択肢が狭まる)」と「サービスの低下」の回答がそれぞれ約5割に上った。
 貸し出しの審査水準厳格化など、合併に伴い「不当な不利益」を受ける可能性については、長野銀がメインバンクの企業の80・5%が「とても心配している」または「やや心配している」と回答した。
 飯塚教授は、合併が八十二銀主導で長野銀行は吸収される形であることから「長野銀行がメインバンクの企業は合併をネガティブなイメージで捉えている」と分析。両銀行がすべきこととして、対話の重要性を挙げ、合併で県内に地銀が継続できるメリットなどを「一軒ずつ、担当者が説明するしかない」と述べた。