在宅勤務業女性が注目 安曇野市の育成事業反響大きく
安曇野市が本年度から取り組んでいる、パソコンやインターネットを使って自宅で仕事をする「リモートワーカー」の育成支援事業が好調だ。各種講座は女性を中心に定員を上回る応募があり、育児と介護を両立させたり出産・育児後のキャリアを見据えたりと、熱い需要があることが分かった。働き手を確保して企業の人手不足解消にもつなげる。
市役所で6日に開かれたスキルアップ講座全10回の初回。市から講座運営を受託しているキャリア・マム(東京都)の官公庁事業部副部長・宮川祐佳里さんがリモートワークについて解説した。「自分で仕事を受注し、納品し、報酬を受け取るのがリモートワークという働き方」―。
初回は2講座合同で行われ、参加者同士の交流会も活気にあふれた。定員は各20人だったが、応募が集中したため各25人に増やして対応した。9月に2回あった紹介セミナーなどを含め、市は「今回は想像以上に反響が大きい」と喜ぶ。
会社員の夫と子供2人と暮らしている豊科の女性(33)は、育児休暇後に職場復帰したものの、子供の面倒を見てあげられず、泣きながら出勤したこともあった。ハードな仕事をこなして帰宅するも疲れてしまい、子供と思うように遊んであげられなかった。「自分のタイミングで仕事がしたい」と、退職して2年前にリモートワークを始めたが、仕事の確保に苦戦した。
リモートワークは全て自己責任のため「孤独」だという。市の講座を受講し「市がやってくれているので信頼感がある。学びたいこともぎゅっと詰まっている。仲間ができるのもうれしい」と充実した笑顔で語った。
市は育成支援に手応えを深める一方、ワーカーが受注する仕事の確保に課題がある。リモートワークに興味がある企業をアンケートで把握し、ワーカーに外注できる業務の切り出しを提案する企業訪問を開始。ワーカーの活用で人材不足の解消につなげる企業対象のセミナーも12月に企画した。2月には企業とワーカーをつなぐビジネスマッチング商談会も予定している。
市商工労政課は「皆さんが生き生きと活躍できる安曇野市になれば」と見据える。