長野県内の不登校の小中学生過去最多 昨年度1325人増の7060人
いじめや暴力行為など児童・生徒の問題行動や、不登校などの実態を調べた文部科学省の令和5年度調査の結果がまとまり、31日に公表された。県内では、小中学校の不登校の児童生徒数が前年度より1325人多い7060人で、11年連続で増加し、現在の定義になった平成3(1991)年度以降で最多を更新した。小学校のいじめの認知件数と、小・中・高校の暴力行為の発生件数も過去最多となった。
県教育委員会心の支援課によると、県内の小学校の不登校児童数は前年度より894人多い3019人、中学校の不登校生徒数は431人多い4041人だった。同課は増加の背景について「不登校は問題行動ではない」と定めた教育機会確保法の趣旨が浸透し、多様な場での学びが広く認められるようになってきたことや、新型コロナウイルス禍を経て欠席することへの抵抗感が薄れたことなどがあると分析している。
一方、県内の高校生の不登校は前年度より104人少ない845人だった。通信制課程に進学する生徒が増え、全日制での不登校が減ったと見ている。
いじめの認知件数は、小学校が前年度より448件多い8251件で、認知件数での調査となった平成18年度以降で最多となった。早い段階でいじめの芽を摘み組織的に対応するよう、些細な事象も積極的に認知したことなどから、増加したと見られる。中学校は前年度より22件少ない1554件だった。
小・中・高校での暴力行為の発生件数は前年度より85件多い1405件で、小学生も調査するようになった平成9年度以降で最多となった。積極的な認知に努めたことや、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い接触機会が増えたことなどが背景にあると分析している。