教育・子育て

eスポーツで不登校支援 コア塩尻で週1回、居場所づくりで施設開放

 塩尻市大門一番町の地域DXセンター・core(コア)塩尻で本年度、パソコンでゲームを楽しむ「eスポーツ」を活用した、不登校やひきこもりの児童生徒らの居場所づくりが行われている。「おいでよデルタルーム」と題して、高性能ゲーム用パソコンを備えた一室を週1回定期的に開放し、子供らに居場所と外出機会を提供している。

 コア塩尻を運営する市振興公社が、月2~4回、火曜日の午後3時半からの1時間開いている。eスポーツ企画会社リロード(松本市大手3、金井佑輔社長)が協力する。29日は市内の小中学生4人が保護者と訪れ、仮想空間でものづくりや冒険を楽しむゲームに夢中になった。スタッフが課題などを示して声を掛け、終了時刻が来ると「時間が足りないな」とつぶやく子もいた。
 事業は、不登校の児童生徒向けの市の教室「高ボッチ教室」などを通じて周知を図り、7月に始まった。県地域発元気づくり支援金を活用し、来年2月まで全24回が計画されている。初回は表情が硬かった子も打ち解け、「皆勤」が大半という。
 大きな声が苦手な感覚過敏の小学4年生の男児の母親は「この時間に出掛ける準備もさっそうとして自分から動き出すようになった。楽しいようで声が出るようになった」と話していた。
 保護者からは開催回数の増加や来年度の継続を願う声もある。振興公社では「コア塩尻を通じて人とつながり、家庭の支えになれば」とする。
 市学校教育課によると、不登校の児童生徒は昨年度末で小学校が75人、中学校が125人で計200人。4月に県が始めた認証制度で、運営経費の補助支援を受けるフリースクールは市内にはまだない。