衆院選 自公過半数割れで政局流動化 松本地域の政財界 地方重視の視点継続望む
27日投開票の衆議院議員選挙は、政権与党の自民、公明両党が大幅に議席を減らして過半数を割り込む結果となった。政局が流動化する中、松本地域の政財界からは、新政権がどんな枠組みになっても地方への目線を忘れないでほしいという声が相次いだ。
松本市の臥雲義尚市長は「政治改革四法の成立から30年。理念と政策で競い合う『政権交代可能な政治』が定着することを期待したい」とし「焦点の一つは、東京と地方のあり方を問い直すこと」と指摘した。安曇野市の太田寛市長も「地方重視の姿勢は変えずにやっていただきたい」と要望した。塩尻市の百瀬敬市長は「(選挙戦では)喫緊の課題である人口減少や物価高騰、地方のあり方など政策論争が深掘りされなかった。政治の停滞で国民生活が影響を受けないよう与野党が歩み寄って進めてほしい」と話した。
県町村会副会長の藤澤泰彦生坂村長は「政権の枠組みがどうなろうと地域課題は変わらない。安定した政権で取り組んでほしい」とし、木曽郡町村会副会長の向井裕明南木曽町長は「国の支援はなくてはならない。インフラ整備や、地方創生に向けた柔軟な施策展開を願う」と話した。
阿部守一知事は「特に人口減少対策、子ども・若者政策、大規模災害対策などについては、全国的な見地からの実効性ある政策の実現、推進をお願いしたい」と求めた。
松本商工会議所の赤羽眞太郎会頭は「石破内閣は地方創生を掲げている。今回の選挙結果にかかわらず、今後も地方経済の活性化にしっかり目を向けていただきたい」と注文。塩尻商工会議所の小松稔会頭も「中小企業の厳しい経営状況の中、地域経済の発展のために一層の地方創生支援を期待する」と話した。
JA松本ハイランドの田中均組合長は「まだ構図が分からないが、各党とも農業政策を重要視してくれている。農業政策が一歩でも前進してくれれば」と期待を込めた。