地域の困り事を生徒がお手伝い 塩尻西部中 孫の手プロジェクト開始

塩尻市の塩尻西部中学校は本年度、地域貢献活動「孫の手プロジェクト」を始めた。庭の草取りや農作業、催しの運営など、手伝ってほしいことを地元住民に募り、中学生たちが地域に役立ちたいと活動している。
12日は、ともに3年生の小澤雄介さん(15)と萩原健琉さん(14)が、宗賀の原遊覧園で接客の仕事を手伝った。塩尻特産のブドウ・ナイヤガラや、リンゴ、梨の果物狩りに来た観光客に農園を案内し、食べる際の注意点や片付け方を説明した。外国人客が来ることも想定して英語での対応も考えた。小澤さんは「早口にならないようにゆっくりはきはきと話すようにした」と言い、萩原さんは「初めての経験で緊張するけれど笑顔を心掛ける」と張り切っていた。
原遊覧園の原智彦園長(58)は「中学生に特産のブドウを知ってもらい、初対面のお客に接することを経験してほしいと思った」と依頼の目的を話した。
市が、学校と地域が一体となって学校運営に取り組む「コミュニティスクール」を市内全小中学校で始めて、本年度で9年目となる。塩尻西部中の生徒たちは、3年生が小中学校9年間にわたって地域の支援を受けていることもあり、恩返しをしようと地域貢献活動を企画した。7月に始めた。活動した生徒に、地元の協力店で使える独自のチケットを贈る「ご褒美制度」も設けている。