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御神木に杣の技 継承へ 伊勢・式年遷宮へ 保存会 上松で研修

ヒノキの丸太の両端を菊の御紋の形におので削る会員

 伊勢神宮(三重県伊勢市)で20年に1度営まれる式年遷宮の次回を前に26日、木曽郡内外の林業関係者でつくる「三ツ紐伐り保存会」が、木曽官材市売協同組合荻原土場(上松町)で「化粧掛け」の技術を学ぶ研修会を開いた。式年遷宮の神事の一つ「御杣始祭」が過去に町内で営まれた際に、森林から切り出された御神木に施されてきた技術だ。その継承と技量向上を目指して、会員ら8人が研さんした。

 同会によると、「化粧掛け」は、御神木の両端をおので粗く削り丸くした後に、差し金などで16本の線を墨書した上で菊の御紋の形に削る「頭巾巻き」などが施される。ござやしめ縄が巻かれ、仕上げとなる。
 研修では頭巾巻きの技術を実践した。ヒノキ材2・5㍍余(直径約50㌢)を使い、ベテランが若手におのの扱い方を教え、16枚の花弁で表現される菊の御紋がなるべく滑らかになるように交代しながら削った。若手の一人で、木曽南部森林組合(大桑村)の技能職員・今井竜太さん(32)=上松町小川=は「16面をきれいに仕上げる緊張感がある。練習を頑張っていきたい」と話した。
 上松町では来年6月初旬、式年遷宮に関連した奉祝行事・御神木祭が予定されている。同会の杣頭・橋本光男さん(72)=上松町小川=は「おのおのが杣の技量を高めるいい機会になった」と話していた。