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木祖村の旧菅橋を観光資源に 遊歩道整備しアクセス向上

昭和40年までの33年間利用された旧菅橋。意匠を凝らした欄干やアールデコ調の大きな親柱は存在感がある

 木曽谷で最初の鉄筋コンクリート橋として、昭和8(1933)年に木曽川に架けられた木祖村菅の「旧菅橋」へのアクセス環境が向上した。土木学会の選奨土木遺産に認定されている菅橋を観光資源として活用しようと、村が遊歩道を敷設した。地域住民らが24日、防草対策としてウッドチップをまく「総仕上げ」のボランティア作業に汗を流した。
 旧菅橋は長さ18・8メートル、幅4・7メートル。上向きに弧を描く曲線のアーチ上路橋で、昭和40年に新たな菅橋が200メートルほど下流に造られるまで人々の移動を支えた。その美しい姿と風格あるたたずまいは長年、地域のシンボルとして親しまれてきたが、一帯をまたぐように通る国道を行き交う旅人が旧菅橋まで下りるには、村道などを700メートルほど迂回する必要があったため、時折、見学者が訪れるだけだった。
 遊歩道は、国道のり面に階段を設けることで菅橋への動線を確保した。国土交通省の協力を得た事業は県の地域発元気づくり支援金を活用した。村建設水道課は「中山道を行き交う旅人が橋を渡り、歴史遺産に触れられる環境が整った。日本遺産・木曽路の随所にある観光資源を発掘することでロングトレイルとしての魅力も増す」と期待している。
 ボランティア作業は、住民への遊歩道披露を兼ねた体験型イベントの一環だった。任意団体・木曽路ウォークガイド会(柳川浩司代表)が協力した。